シー・ユー・レイター・アリゲーター(See You Later Alligator)は、ボビー・チャールズが作詞・作曲した楽曲。
オリジナルのチャールズによるレコーディングはチェスより1955年11月にシングルとしてリリースになり、R&Bチャートの14位のヒットを記録した。同年12月に ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツがこれをカバー。翌1956年にリリースされると、ビルボードのポップ・チャートの6位の大ヒットとなり、チャールズのオリジナルの存在感を薄める結果となった。
ボビー・チャールズのバージョン
10代の頃のチャールズは、友人と別れる際「さようなら」という代わりに「See you later, alligator」(「またね」を意味するsee you laterに語呂合わせでalligatorを付けている)というのが口癖だったが、ある日、友人の一人がそれに対し「After a while, crocodile」(同様の語呂合わせ)と返したことがインスピレーションとなり、チャールズはこの楽曲を20分で書き上げた。
チャールズは電話でのチェス・レコードのオーディションでこの曲を歌い、これを聴いた社主レナード・チェスは、チャールズとの契約締結を決断した。チェスはニューオーリンズのコズィモ・マタッサのスタジオをレコーディング用に押さえたが、チャールズ本人の要望により、通常のスタジオ・ミュージシャンではなく、彼が当時一緒に活動していたザ・カーディナルズとレコーディングすることとなった。
レコーディングは1955年10月に行なわれ、翌11月に「Later Alligator」の名でシングル・リリースされた。この曲は、当時17歳だったチャールズのレコード・デビュー曲となった。デビューにあたり、彼は本名ロバート・チャールズ・ギドリーから末尾のギドリー姓を落とし、ボビー・チャールズと名乗った。
曲は12小節のブルースを基調としており、チャールズのバージョンはサックスをフィーチャーし、チャールズのバージョンはリズムやサックスをフィーチャーすることにより、ニューオーリンズR&B色を前面に押し出している。前年1954年にレコーディングされたギター・スリムの「Later for You, Baby」がこの曲のインスピレーションになっているのではないかとする意見も存在する。
参加ミュージシャン
- ボビー・チャールズ Bobby Charles - ヴォーカル
- ハリー・シモノウ Harry Simoneaux - サクソフォーン
- ラオウル・プラード Raoul Prado - サクソフォーン
- カルロ・マリーニ Carlo Marini - サクソフォーン
- ラリー・ギドリー Larry Guidry - ギター
- エド・ルブラン Ed Le Blanc - ピアノ
- ケネス・テリオ Kenneth Thierot - ドラムス
チャールズ自身によるリメイク
チャールズは度々この曲のリメイクを行なっている。一つは1960年代のジュウェル/ポーラ時代(後にポニーキャニオン、英ウェストサイドのコンピレーションに収録された)、1992年のニューオーリンズ・セッション(アルバム『Wish You Were Here Right Now』収録)、更には2001年のレコーディングがあり、これは2004年のアルバム『Last Train To Memphis』に収録された。
ビル・ヘイリーのバージョン
チャールズのオリジナル盤リリースの翌月12月12日、ビル・ヘイリーはこの曲をレコーディングし、1956年1月にシングル・リリースした。彼らのバージョンは瞬く間にビルボード・チャートの6位を記録し、19週に渡ってチャートにとどまり続ける大ヒットとなった。同年4月公開の映画『ロック・アンド・ロール/狂熱のジャズ』でもフィーチャーされた。
ヘイリーのバージョンは、チャールズのものと比較して、よりロックンロール的な仕上がりとなっている。
参加ミュージシャン
- ビル・ヘイリー Bill Haley - ヴォーカル、リズムギター
- フラニー・ビーチャー Franny Beacher - リードギター
- ビリー・ウィリアムソン Billy Williamson - スティール・ギター
- ルディ・ポンピリ Rudy Pompilli - テナー・サックス
- ジョニー・グランデ Johnny Grade - ピアノ
- アル・レックス Al Rex - ダブル・ベース
- ラルフ・ジョーンズ Ralph Jones - ドラムス
その他カバー・バージョン
出典




